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丸古一
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2008年12月28日

この1年・『建設業界』 : 丸古一

 公共事業費の削減が続く中、建設業界にとって、今年、最も衝撃的だったのは、やはり米国発の金融危機による不況の波が今秋以降、一気に表面化したことではないだろうか。この事態で、業界全体に「次はどこの企業が倒産するのか」と不信感が広がり、ある関連業者は「どこの企業を信頼していいのか、わからない」と訝る小声をもらし、危険回避に走る傾向にある。しかし、この事態は、どの業種にも関係してくること。むしろ、…
 平成20年4月1日以降、国土交通省が公共事業の最低制限価格の算定方式を公契連(公共工事契約業務連絡協議会)モデルに改めたことの方が、同業界においては、公共事業費の削減一辺倒だった過去との転換点となっている。この方が、「この1年『建設業界』」に相応しいと確信する。ただし、この改定が最低制限価格および低入札調査基準価格の引き上げにつながったが、予定価格ではない、と一言、付け加えておく。

 まず、行政が公共工事の発注に入札公告する際、その工事に応札の上限となる予定価格と最低制限価格(もしくは低入札調査基準価格)を設定する。この金額の振れ幅で、入札に参加する企業は、「競争」する。現在、全国の自治体では約60%が導入している一般競争入札の影響で、不当廉売(ダンピング)が横行し、企業が低入札調査基準価格(最低制限価格ではない)を下回る価格で受注し、行政からのお墨付きを得て、工事に取り掛かったにもかかわらず、今夏まで続いた原油・資材価格の高騰で、工事費が捻出できず、倒産してしまう企業が相次いでいた背景もあいまって、国土交通省の公契連モデル採用にいたった。

 最低制限価格等を改定した公契連モデルとは、これまで、直接工事費100%、共通仮設費100%、現場管理費20%、一般管理費0%の合計額で算出されていたものが、直接工事費95%、共通仮設費90%、現場管理費60%、一般管理費30%に改められた。この改定で、最低制限価格・低入札調査基準価格は、概ね上昇する。こうして、不当廉売を防ぐ試みだ。そもそも、行政発注の工事で、業者が工事費の資金繰りに苦慮して、品質を確保できない手抜き工事になってしまったら、これこそ、「無駄」だといわざるを得ない。

 今回の措置で、これまで建設事業費削減の一辺倒だったものが、一部で業者保護へと動き始めた。全国の自治体など発注機関で、相次ぎ、導入を進めている。真の競争性、公平性、透明性、そして品質の確保に向けて。


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